姑獲鳥の夏 (講談社ノベルス)京極夏彦
1997年第19印とあるから、かれこれ20振りのウブメである。
京極夏彦ファン、特に京極堂シリーズと巷口説シリーズファンだが、20年振りに読む氏のデビュー作。
今ではページ跨ぎの文章を書かない氏も、この頃はまだ紙面デザインまで拘って無かった事に、新鮮さを覚える。
そして京極堂の憑き物落としもまだ円熟味が無いように感じる。
今読み返すと、衝撃を受けたウブメの夏は、まだ若かさ溢れていた様である。
20年前、私に着いた憑き物。
京極夏彦と言う憑き物は、いまだ私の中で機能している。
京極堂の呪は堕ちる事なく、私の一部として年月を経たのだと、実感した平成最後の夏のウブメ。
原点がここにあり。
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