親の罪
言い方は悪いのだが、認知症のご老人の言動をいちいち真に受けてしまう人間力のなさ。「違うって言っても聞きゃしない!」と鼻息荒くする意味のなさ。
いつまで親に面倒見て貰うつもりなんだか。
いつまで自分の言う事を聞いて貰うつもりなんだか。
いつまで親に甘えるつもりなんだか。
一事が万事、一本調子では行かないのが世の常。
諸行無常。
臨機応変適材適所。
押してダメなら引いてみる。
過去の姿を投影するのではなく、しっかり、目を覚まして直視しなければ。
認知症が何たるか。
どこに重きを置くのか。
介護は、現実。
夢無き、現実。
老いた親の小さい背中と、老いた親の身体の重さが、現実。
現実から目を背けるのか、現実を受け入れるのか。
半端な覚悟と半端な行動は、自分自身への言い訳。
親は老い、子は育つ。
子として生まれ、子を産み親となり、親を看取る。
生はその瞬間から死に向かう。
この唯一絶対普遍の生死の営みの中で、今更、親の老いに戸惑うとか。
時代が変わり、家と言うモノの意味が変わり、死生観も変わり行く中。
親の背中を見て学ぶと言う機会を逃している罪は、何よりも重いのかも。
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