眠れないほど面白い『古事記』―――愛と野望、エロスが渦巻く壮大な物語 (王様文庫) 由良 弥生
古事記。
先日の出雲参りの影響で読みだした古事記。
たまたま行きつけの本屋に在ったのがこの古事記だったのでコレにしただけで、別にタイトルの「エロス」に魅かれた訳ではない。
しかし、古事記。
日本書紀よりも古事記の方が面白いと口コミで聞いていたが、いやはや。
上巻の神話は楽しく読めたが、天皇の御代になってからの件は、系図が複雑過ぎて半分も理解出来なかった・・。
誰が誰の皇子で、誰との異母兄弟なのかが把握できず、ただ読み下して終わってしまった。
が、それでも今上天皇陛下に繋がるお話。
神話と言う、幽世のお話とは一線を画した、生々しさが現世のお話然としている感は強かった。
かく言う上巻の神話も、十分生々しさはあり、神話と言う「神聖さ」「清浄さ」のイメージからは程遠く、歴史の中での「神格化」が如何に機能装置とし働くかを感じ入る。
しかし、自分が生まれた国の神話であり、古代史であり、ある種のリアリティを感じさせる歴史書が、悠久の時を経て記し続けられている事が、純粋な驚きである。
平成最後の年に読破した最後の本を、古事記で締めるのもまた、善きかな。
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